「もうちょっと自覚して、 俺の彼女でしょ、」 急に真面目になるから、 笑っていられなくなった。 "俺の彼女"というフレーズが、 頭の中を何度も駆け巡る。 「沙也。」 まっすぐ見つめられて。 名まえで呼ばれたのは はじめてかもしれない。 私は笹井さんの手を繋ぐ。 そのまま引き寄せられて、 唇が甘くなった。