「いらっしゃいませ。」 「こんにちは、」 爽やかに挨拶をして、 お兄さんは窓際の席を選んだ。 スーツの似合うお客様は、 笹井さんと同じくらいの年に見える。 「アメリカン…と、 お姉さんのお勧めのケーキをひとつ。」 「私の、ですか?」 「ええ」 お兄さんは、 ミントの薫りでもしそうなほど、 爽やかに微笑んだ。