「おはようございます、」 分厚いコートの肩に うっすら雪を積もらせて、 可哀想なスタッフがもう一人。 二つ年上の笹井さん。 彼は飄々としていて 何を考えているのかよく分からない。 そもそも殆ど話したことすらない。 細身の長身で、 くるくると長めの黒髪。 眼鏡と白衣が似合いそうで、 全体的に野良猫みたいな人。