「……で、今日ここにいるわけだ。」 店長さんが 可哀想な視線を向けてくる。 「まあ、それは仕方ないね~」 オープン前のカフェが いつも以上に静かなのは、 朝から雪が降ったせいもあるだろう。 恋人がいてもいなくても、 今日ここで働く私たちは 可哀想としか言えない。 暖房だけが人工的にあたたかい。 心はちっともあったかくならないけど。