「すみません、 送ってもらっちゃって…」 車のドアを閉めて、助手席に座る。 「いいよ。住所教えて。」 カーナビを触りながら、 いつもの無愛想で笹井さんが言う。 「いやいや!駅までで大丈夫です!」 「夜遅いんだから危ないでしょ」 「そんなに駅から遠くないので!」