23時を少し過ぎて、 もう雪は止んでいた。 それでもまだ通りすぎる人に カップルは多い。 テーブルを拭きながら、 窓の外をぼんやり見ていた。 最後に好きな人ができたのは いつだっけ。 恋の仕方なんて覚えてない。 「……好きでしょ?」 急に隣に現れた笹井さんが訊く。