午前0時35分。

悪夢が始まるのにはとっておきのタイミング。

咲紀はこれまでにあじわったことのない恐怖の中に包まれていた。


荒れ果てた教室。
漏れたウイルスの色。

そして何より自分の目の前にいる
奇妙な者に目を逸らすことが出来なかった。

長い舌。
荒々しい息とともに臭うウイルス独特の臭い。

長い爪をもち、四つんばいになった肉体は
赤い血で染められ、皮膚丸出し。

そして髪の毛一本もない頭部に
むき出しにされた脳ミソ。


まさにこれはT-ウイルスによって
突然変異した化け物リッカー!?



「・・・愛八。なんでバイオハザードの話なんかしてんのよ!!」


愛八の混乱状態は相変わらず続いている。


「よくみると影に2つの物体・・・
あれはもしや、猫耳?」

愛八の?トークはまだ続いている。


そしてキング・オブ・キャサリンは
相変わらず白い息を吐き出している。

そしてよろよろとこちらへ向かってくる。


「まだお、ど・・・どうするの?
アイツどんどん近づいてくるよ!」


「あぁ。でも今回のアイツの目的は何なんだ?
教室に向かってるようにも見えるけど・・・。」


ん?教室?