『まだおの家』


ここがまだおの家。
てか普通まだおの家って書く!?

苗字書くでしょ。


とりあえず私はチャイムのボタンを押した。

響き渡る音色。

すると強い風が吹いた。



「ガチャ。」


ドアが少し開いている。
私はそっと開けてみた。


「・・・まだお?」

部屋は静まり返っていた。しらずしらずに足が動いていく。
ふと立ち止まるとリビングにいた。

「まだお。咲紀だけど。いるの?」

居ないのかな?



私は二階に行った。

『まだおの部屋』


のドアが半開きになっている。

吸い込まれるように足がそこにいってしまう。




部屋を覗くと窓を覗いているまだおがいた。



「まだお!」



まだおは焦って振り向いた。


「咲紀!何でここに?」


「いやぁ皆とまだおを探してて。ドアが開いてたからつい・・・。」


ふとまだおの手を見た。
なにか握り締めている。

「何持ってるの?」

すると急にまだおが焦りだした。


「何でもないっすよぉ~♪」

怪しい。絶対何かある。


「みして♪」

まだおは一瞬硬直したが、急に手をこちらに向けてきた。


「いいの?」

まだおは暗くなった。

「どうせ分かんないさ・・・。」

「?」

私は受け取った。

昔っぽい懐中時計だった。

「・・・懐中時計?」


妙に懐かしかった。

でもフタが開かない。


「これ開かないよ。」

まだおは一瞬傷ついた顔をしたが笑った。

「それ。ちょっとした仕掛けがあるんだ。」

「ふうん。まあいいや。返す。」

まだおはボーっとしている。

「・・・まだお?」

するとまだおは我に返ったように驚いた。

「また来いよ・・・。」


?何だろ?


「うん。じゃあね。」


手を振るまだおの顔は悲しそうだった。