腕の中で大人しくしててくれれば俺だってもっと考えた。
さっきまでの可愛らしい彼女はどこへやら…。
でもわかったんだ。
こーゆー時の彼女は、空気が“読めない”んじゃなくて。
先読みしすぎてひとりで慌ててるだけなんだ、って。
「ちょっと黙れ」
「なっ…」
「もっと甘い声で鳴かせてやるからキャンキャン吠えんな」
「なっ….んっ⁈」
片手は彼女を抱き寄せたまま。
空かせた片手で彼女の顎に指をかけ上を向かせると。
そのまま彼女の唇に俺の唇を重ねた。
「…ん…っ…」
今度は俺のターン。
あんな一瞬で終わらせるつもりなんてない。
触れて、合わせて、重ねて、喰むって。
「や…っ…んっ…」
思った以上の破壊力。
唇から伝わる感覚だけでもかなりなもんなのに。
時折漏れる彼女の吐息が俺の理性を飛ばそうと追い討ちをかける。
…やっばいな、これ。
これ以上してたらマジで危険。
それをわかってるのに止められなくて。
顎にかけていた指先を彼女の首筋に這わせていた。