太陽石を机に置き、栗色の髪の毛を乗せる。すると、石がオレンジ色に光だした。
髪の毛はその光に溶けていく。


「げんきになぁれって
髪に想いをこめて混ぜたよ。」


そう言って、ジャンは朗らかに微笑む。
なんだかそれだけでも元気がでる。


私はそっと月焼けした腕を、光に当てた。


「太陽の光を当てると、月焼けが直りやすいんだよ。僕のお父さんが言ってた。」


「あ、そうだ。昨日ジャンのお父さんにあったんだ。それで――」



ガララッ


ドアの開く音がした。



私の鼓動が高鳴る。

なぜ?

いつも会っているのに

私は、この後を知っている…?



彼は何事もなく、席に着く。
私のとなりに。


「スエード、おはよう」


ジャンが挨拶をするも、反応はない。


私は思い切って声をかける。




「スエード、どうしたの?」


その言葉にピクリと反応した。
そして彼は、虚ろな瞳を向ける。

どうしてそんな顔しているの…


「何も、覚えてないんだな」