下準備を終えて外に出る。

オトツレ草の花が咲いているときは、ブーツをはかなければならない。わかってはいるのに、つらい。


「夏にブーツとか…あつい」


だらだらと歩く私を
ママは笑いながらはげます。


「ブーツを履かないと
どうなっちゃうと思う?」


「足が焼けるとか?」


それもあるけどー…と
ママは意地悪に答える。


「な、なによ
早く言ってよママー!」


私は怖くなり、必死に問いただす。
これでは夜も眠れまい!


「うふふっ。ひみつ」


…。
結局は履かなきゃ危ないというわけだ。


二人で雑談をしながら丘を歩いていると、研究所が見えてきた。