オレはクラスの女子を呼んだ。
「あゆ、
お前化粧うまかったよな?」
教室のドアを勢いよく開けた
オレにぽかーんと口を開けたあゆがいた。
「どったのぉ?
そんなあわてて」
「…いや、
別に慌ててないけど…」
彼女は菓子パンを両手に持って
小さな口でパクパクしていた。
毎日髪型を変えている器用な子。
クラスの女子みんな友達です!
といったタイプだ。
委員長と仲がいいかなんて
知らないけど
他の女子よりあゆの方が
いい気がしたのだ。
「…まっつん?」
菓子パンをくわえたまま
顔をのぞかせる。
「あっいや…
やっぱいいやっ」
オレは
委員長がいる廊下へ帰った。
「松岡くん、
どうかしたの?」
廊下では
委員長がプリントを持って立っていた。
「いや、なんでもないよー」
「なんでもなくはないよね!?」


