「…で、放課後どお?」
ちょっとなぜか
手に汗かいている。
別に委員の仕事なのに
なんか恥ずかしく思う自分がいる。
「あっもちろん大丈夫だよ。
この前生徒会に言われてたやつだよね?」
彼女は三つ編みした髪で遊ぶわけでもなく
何度もリップを塗っているわけでもない。
ただただまっすぐ前をみて
廊下を歩いている。
よくよく考えると
姿勢よく前をみて廊下を歩いているヤツなんて
なかなかいないよなぁとぼーっとしていた。
「あの、松岡くん
ちょっと近くないかな?
私の顔、何か変かな?」
ハッと我にかえると
オレの目の前に委員長の横顔があった。
どうやら
歩きながらどんどん近づいていたらしい。
「いや、
委員長って化粧とかしないのかなぁって
思って…」
「お化粧、私下手だから」
と困ったように笑った。
興味あるしやってみたいけど
できないし恥ずかしいってとこかな?
まぁ確かに
こんなイケボじゃなぁ…。
俺はうーんと考えたが
意外にもすぐに答えを思いついた。
「…ちょっと待ってて」


