「おり姫ちゃん、
部品買いに行こうと思うんだけど
放課後あいてない?」



オレは
瑠璃ちゃんの姿が見えなくなったタイミングで
彼女に声をかけた。


今は授業と授業の間で
彼女は前の授業の提出物をまとめていたところだった。





「あっごめん、
オレも委員長なのに…

これ職員室?
持っていくよ」



「あっこれは
地歴公民室なの
いいよ、私が頼まれたことだし」


とクラス全員分のノートを
まとめた。

ノートは一人2冊ずつあるし
かなりの重さはある。

いくら男の声だからって普通の女子だ。
かなりきついだろう。





「よしっ
じゃあ地歴公民室までねっ」





オレはちょうど半分を持って
教室を出た。


…たぶん
彼女はそーゆーの気にするタイプだし。






「ありがとう」







あまりにも
まっすぐ言われたありふれた言葉に
少し戸惑う自分が不思議だった。


…たぶん
イケボを間近で聞いたせいだと信じてる。