「ほらほら、見てくださいよ浅井君。


『「俺、深井と出会えて…………良かったよ」

「ああ……。

深井…最期の頼み、聞いてくれないか…」』って。


ほらほら、浅井君、最初は私の事を呼び捨てにしているじゃないですか!」


私は携帯で、この携帯小説の57ページの浅井君の台詞を、浅井君に見せ付ける。


「うわああああ、やめてくれええ!!!!」


涙目で訴える浅井君。

しかし、私は容赦はしない。


「それなのに!76ページでは私のことを、『深井さん』と呼んでいるのですよ、貴方は!

ほらほら、見てくださいよ浅井君。


『「えっ、俺が勝手に決めたことだから、深井さんは払わなくていいよ?」』ってここに書いてますよ??


ほらほら」

「うわあああああああああ!!!深井さんのいじわる!」

「ほらまた深井さんって言いました!今!」


あ、やばい。

浅井君イジリちょっと楽しいかも。


普段は、浅井君やら千早やら湊やらに振り回されっぱなしの私だけれど……。

今は、こうして浅井君をイジリ倒している!!

胸の中で日頃のストレスが発散されていく様子が、自分でもハッキリ分かる。