つまり、湊には本当に信頼できる友人がいないというわけである。


しかし、私も人のことは言えない。

私も、あまり友人はいない。


千早は後輩だから、友人とはちょっと違う気がするし、

浅井君に至っては、友人になんぞなりたかない。

ていうか、関わりたくない。なのに関わってしまっている。くそ…。


いつか、絶対に関係を断ち切ってみせるんだから………!


「で、行ってみる?トイレ」

「え、あ、はい」


というわけで、トイレに来たわけですが。


「私、女子トイレ見てきます」

「えっ、湊君は男子だから男子トイレにいるんじゃ」

「いや、湊のことだからもしかしたら変態的才能が開花して、女子トイレで変わり身の術をしているかもしれません」

「え、ごめん。わけわかんない」


チッ、こんな簡単な日本語も理解できないのか、浅井君は。

流石、脳味噌浅はか野郎だ。