深井さんと浅井君

「まあいいや。

湊君はたらこが好きだからたらこ味にしよう」

「いやいやいや、そんなのないでしょう」


俺にツッコミを入れる深井さん。


「すみませーん、たらこ味ひとつ」

「あ、申し訳ありませんお客様…。

当店ではたらこ味は置いていなくて…明太子味ならあるのですが」

「えっ、あるんですか!?」


目をまん丸にして驚く深井さん。

漫画だったらここで目ン玉ぶっ飛んでいるところだ。


「あ、じゃあそれで…。

えっと、千早ちゃんは何が好きなの?」

「千早は何でも食べますよ。

そこらへんに落ちている平家パイの欠片から、

そこらへんに埋まっているアリの巣まで、食べますよ」