ポン、と私はひふみ君の背を叩いた。


「え、何。羽美」

「もとはといえば、ひふみ君のせいでしょ?

誠心誠意、真心を込めて、湊君に謝ってきてちょうだい♥」

「ハートマーク付けて可愛くしても、行かない」

「何故なの」

「湊君が怒っている様子が、ここからでも分かるぜ……。

気温が10度も上がってやがる……」

「それはかなりやばいわね、ああひふみ君のせいだわ」

「羽美のせいでしょ」

「ひふみ君のせいですぅー」


「二人とも、バカップルっぷりを発揮するのは後にしてもらいません?」


「だから、カップルじゃないって!」

「そうだ、俺はバカじゃない!」

「ひふみ君ツッコむところそこじゃないって!」


色々モメあった結果……2人揃って謝りにいくことになってしまった。


ああ……湊の怒りに触れることほど、恐ろしいものはないわ。

この世で一番恐ろしいことよ。

100点だったのに、名前書いてなかったせいで0点になってしまうよりも、恐ろしいことよ………。


「神よ、鎮まりたまえ……。

我は今、貴方への永遠の忠誠を誓います。

おお、神よ鎮まりたまえ……」


ひふみ君がとうとう壊れた。