「うううう、深井さんのいじわる、いじわる、いじわるーー!!

こうなったら……」

「ん?こうなったら、なんですか?

浅井君に何ができるんですか?脳味噌浅はか浅井君野郎ごときに、私にどう仕返ししようと言うのですか?ん?ん?」


浅井君を挑発する私。

今、最高にテンションMAXである。


ん?最高にテンションMAXって、つまり最高にテンション最高ってこと?

あれ、文法おかしいな…。


まあいいか。

今回は深いところまでは気にしないのだ。

設定なんぞ、今日くらい無視したっていいだろう。


「…み」


蚊の鳴くような声で、浅井君は何かを言った。


「?

今、なんて言いましたか?」


あまりにも小さい声だったから、よく聞こえなかった。

ワンモア。


「羽美」

「ほわ!?」

「羽美」

「ちょ、いきなり下の名前で呼び捨てしないでください!」

「だって、羽美がまるで『深井さん』と呼んで欲しくないみたいな言い方をしたから…。

だったら羽美って呼んだら羽美は喜ぶかなって思ったんだけど…。

どうかな、羽美?」

「うみうみうみうみ連呼しないでください!!!!」