私は毎日のようにおじいちゃんの部屋へ足を運んだ。

「おじいちゃーん。あれ聴かせてー」

私がおじいちゃんの服のすそを引くと、おじいちゃんはひょこひょこしながら、ちくおんきを鳴してくれた。


「エリナはちくおんきが好きだねぇ…」

「うん!!」

「何を流そうか…」

私はちょっと考えてから答えた。

「…エリーゼのためにがいい!!」


それはあの日、初めてちくおんきで音楽を聴いた時に流れた曲だ。

「そうかい、そうかい…」

毎日毎日、おじいちゃんと一緒にちくおんきで音楽を聴いた。