最近では、休み時間中はほとんど根岸クンといる。
根岸クンはいつも無邪気に笑う。
それが本当にかわいい。
「なぁ、広瀬。」
「何?」
「俺さ、お前の彼氏だよな?」
「そうだよ?」
私がそう答えた後、少し黙ってから根岸クンは小さく言った。
「じゃあ……キスしていい?」
「………」
突然で驚いたのもあった。
でも、それより何より。
イヤだ。
そう思って黙ってしまった。
「……何困った顔してんだよ。嘘。ただ言ってみただけ。」
そう言ってニコッと笑った。
その笑顔を見て胸が痛かった。
根岸クンを傷つけてる。
このとき初めてそのことに気づいた。

