「おはよう。」


「あっ、涼。おはよう。」


「………」


返事をするのがダルい。


ていうか、何もかもがダルい。


「広瀬?」


「…おはようございます……」


やっとの思いで出した声は少し擦れていて、いつもの私の声より少し低かった。


「つくし、風邪じゃない?お母さんに言えばよかったのに。」


「…お母さんに言ったって困った顔されるだけだよ。」


「そんなことないよ。ちゃんと看病してくれるよ?」


わかってないんだね。


それはお姉ちゃんにだけだよ?


「どうだろうね…」


「広瀬!!」


突然先輩に怒鳴られて、私は声が出なかった。


「もう止めろ。」


ほら、また…


またお姉ちゃんを庇って。


ねぇ、私のしてることって、そんなにいけない?


そんなに責められることなの?


「すみません……私、捻くれてて………」