「なんだかんだ二人は仲がいいよな」
しみじみと昴は二人の様子を見ながらそう言う。
何だか昴、二人の保護者みたいだ。
「あ、冬華食べ終わった?ついでにゴミ捨ててくるよ」
「え…あ、いや…私が…」
「いいから」
そこまで言われたら拒否することは出来ず、大人しく昴にアイスのゴミを渡す。
本当…どこまでも優しい人だ。
……もしかして、私の場合も保護者?
…はは、まさかね。
「あ、ねぇ!私海行きたい!海が嫌ならプールでもいいよ!」
泳ぎたいと言う若菜ちゃん。
もう夏休みの気分な若菜ちゃんだけど、秋人くんがまた現実に戻す。
「さっき昴が言ったじゃん。まずはテスト」
「なんで急に現実に戻すのよ!」
「で、でも若菜ちゃん!もし補習になったら、夏休みがないんだよ?」
「あ、そっか!助けてー!冬華ー!」
私に抱きつき、泣きつく若菜ちゃんに私は苦笑しながらも彼女を抱きしめる。
こうなったら、みんなで勉強会かな?


