「じゃあ、行ってきます」
「気をつけていくのよー」
はーいと言って外に出る。
すると、外には昴の姿があったのだ。
「え、昴!?だって…現地集合じゃ…」
「最初はそうだったんだけど…でも冬華を一人で夜道を歩かせなくないと思って」
それに…と昴は私をじーっと見る。
「そんな可愛い浴衣姿、最初に見たかったから」
家族は別だけどね。と昴は嬉しそうに笑うから、私は照れてしまい思わず顔を俯く。
「……昴は褒めすぎだよ」
「まさか。なんなら、もっと言おうか?」
にこにことする昴に、私は慌てて断る。
たまに昴は意地悪になるから……心臓に悪い。
でも意地悪な昴でも好きだから、仕方ないよね。
昴と手を繋いで花火大会会場へ向かう。