さ、掃除掃除。


ホウキを握りしめる。


本当は掃除なんてやりたくない。


でも、この空間をやり過ごすには、さっさとこの仕事を終わらせて、帰るしかないんだということは俺にも分かる。


にしても……


面倒くさい。


持っているホウキは5分も動かしていないのにもう手が止まっていた。


「あー、だり」


最っ悪。


その思いが、自然に口をついて出た。


「よりによって今日日直かよ」