火炎放射を吹き出しそうな勢いで喋り続ける私を、柔らかに微笑んで見ているのは、


岡野 陽菜(オカノ ヒナ)。


私の幼稚園からの親友だ。


スタイルが良くて可愛い、絵に描いたようなモテ女子。


「まあまあ。そんな怒らなくてもいいじゃない。ぶつかったのがあの高坂くんだよ?」


ふと、そんなことを言った陽菜に、私は、首を傾げる。


「へ?」


「だって、あんなイケメンとぶつかるなんて、一華はむしろ運がいいと思うね、私は」


……陽菜まで!


なんで、そんなこと言うのよ。


いいわけないでしょ、あんな奴とぶつかるなんて!