スキ、キライ、スキ?

しばらくして、中年で小太りの担任が入ってきた。


「席着けー」


呑気な声で、呼びかけている。


ったく、相変わらずだな。


俺はまた、ため息をついた。


担任が色々話していたけど、機嫌の悪い俺は右から左に聞き流し、話なんてひとつも聞いていなかった。


初日からこれとか、萎えるんだけど。


斜め前の席に座る佐伯を横目で眺める。


元はといえば、こいつがぶつかってきたからいつもより機嫌が悪いんだろ。


まさか、あれほど強気に出てくるとはな。


さすがに、俺も腹が立った。


たいていの女は、あそこで泣く。