私、佐伯一華(サエキ イチカ)は高校1年生。


今日はまさに2学期の初日。


毎回のことだけど、休み中は、休みが終わらないことを願ってたのに、新学期になると途端に学校が楽しみになる。


なんでなのかは分からないけど、なんかこう、新しい何かを期待する感覚っていうのかな。


いいことがないかな、とちょっぴり胸が弾む。


今回も、ワクワクしながら家を出て電車に乗った。


最寄り駅から徒歩7分のわりと近めなこの学校。


だから、歩くのはそんなに苦にならないし、遅刻寸前でダッシュしても間に合うんだけど…


電車を降りた瞬間いきなりこの日差し。


暑すぎてもはや意味不明だよ。


太陽も8月終わったんだから本気出さなくていいのに。


一人、心の中でこの暑さに文句をつける。


なんて、思っててもしょうがない。


割り切るしかないよね、これは。


私がいくら暑いのが嫌だからって、太陽が引っ込んでくれるわけじゃないんだから。