初恋はアイドルでした。

公園のベンチに本を捨てた。

やっぱり私には無理だ。

こんな本買わなきゃよかった。

萩谷優也を見れば見るほどもっと知りたいって思っちゃう。
そしたら勉強に手が出なくなるかも知れない。

それをお母さんは許さない。
だから、もう二度と買わないようにしないとね。

家に帰った。

「おかえりー」
「ただいま。」

「ねぇ、お母さん。」
「なに?どうしたの?みつきちゃん、」
「芸能人好きになることってある?」
「馬鹿馬鹿しいわ。
どうしちゃったの?」
「ちょっと、友達がね。」

やっぱり馬鹿馬鹿しいんだよ。
こんな気持ちも一時的なもの。
そう言い聞かせた。