二十年後のクリスマスイブ

「救ってくれたとは、格好いいね…」

「直接に何かしてくれたとかじゃないの、全てを知った上で何一つ口出しするでは無く辛かった私の側に居てくれて…私が間違いに気付くのを待っているかのように……桐人は本当に不思議な人で、自分と云うものを持っていながら縁のある他人が居たら自身が出来る事であれば、それに向かって全力で応えてくれようとする………自分自身の犠牲など顧みないで、欲と云うのを持たない神様みたいな人……」

「それは私も判る…究極のお人好しだね、ただ何があっても前向きに生きる自信があるから出来るのかも知れないが…」

「私が、どうしようもなく淋しかった時に桐人に貰った連絡先に電話したの。勤め先の寮だったけど…」

「桐人は居たの?」

「居なかったら、現在は無かったと思う…全く違う人生を送っていたでしょうね…仕事が有るというのに、徹夜でぎりぎり迄、側に居てくれて穏やかに私の話を聞いてくれたわ…」

「桐人らしいな…」

「それから、馬鹿な私の目を覚ましてくれたけど、彼の人生を変えてしまう事にもなってしまった…つまらない男の為に身体を売ってしまっていた愚かな私の為に…」

 律子の突然の告白だった…