その夜。


私は寝室で旦那さんを待った。嫁に来て、今夜ほどこの時間を待ち遠しいと思ったことはない。


もちろん、旦那さんと睦み合いたいわけやなく、兄ちゃんの話を聞きたくて。


大倭会の者を使いにせんと、尊兄ちゃん本人がわざわざ関西からこの屋敷に出向いたんわ、きっと朔夜とサシで話をしたかったからや。


そしてその内容は、探してくれって頼まれた"朔夜の運命の女"とやらについてやと思う。


それ以外にあり得えへんよ。
その女の人、みつかったんやろか?
それを伝えにきたんかな?


そしたら……うちは……


なんやろ、胸がドキドキしてきた。




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