「……誰だッ!?」


「ウェルカムドリンクです」


ハッと男たちの空気が変わった。城川は逡巡したものの、ドアの近くに立ってる一人に目配せした。
男は黙って頷いてドアのチェーンを外す。


誰か来た?もしかしてチャンスかもしれへん。大声を出してなんとか逃げよ!!


けどガチャ…っと重いドアが引かれたとき、開けた男が同時に「ウッ!?」っと呻いてうずくまった。


「……!?」


崩れ落ちる男の背が、なぜかスローモーションに見えて、そしてドアの向こう側に立つ朔夜を、私の視界がとらえた。


「…だっ…だ、だ、だ、旦那さ…!?なんで…!?」


「!?し、紫月テメ━━━━━━ッッ!!」


目を疑う私のつぶやきをかき消して怒鳴る城川。そして一瞬で殺気立つ男たち。


一方、旦那さんは涼しい顔だ。


「オイオイ、なに勝手にひとの私物連れまわしてくれてんだよ?」


"私物"?


「ソレは俺の持ち物」


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