もしかしてこの人たち最初から私に因縁つける気やったんちゃう?


私は物心つく前から極道の男たちに囲まれて育った。


だからはっきり言って高校生のヤンキーなんか、何十人、いや何百人集まったところで怖くもなんともない。


ただただポカンとしてると、私がビビったと勘違いしたのか、余裕綽々で男たちは笑った。


「あれれ?ビビって泣きそうになっちゃった?西園寺小夜子ちゃん?」


「なんでうちの名前知ってんの?」


「あのクソ生意気な紫月白夜の女なんだってな?」


「はぁッ!?」


「今ぶつかったとこ骨折したかもしれねー。治療費払ってよ」


「何を言うてるん!?ぶつかって来たんはそっち…」


すると男たちのひとりが、まさに私にぶつかってきた男の肩を抱いて言った。


「あのよー、忠告してやるけど、この城川には逆らわない方がいいぜ。ヤクザの組長の息子だからな」


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