「なっ!?阿呆なこと言わんといてっ!?」


「夫婦水入らずだろ?」


朔夜はタバコをくわえたまま、腕を私の太股に這わせてきた。そんなとこ触られるのは初めてで、ゾクリと鳥肌が広がった。


な、なんかイヤや!ゾワゾワする!イヤやッ!!!!


「やめてや!夫婦やけどエッチはしなくてもええって言うたやん!?」


「処女かどーか確かめるだけ。指しか入れねーよ」


「…っ!?ゆ、ゆ、ゆ!?!?」


私をおし倒した朔夜の顔には、笑みが浮かんでる。まるで鼠をいたぶる猫のような顔。


「イヤやイヤ!!離してぇ!!」


背筋に寒気が走る。
兄ちゃん!尊兄ちゃん!助けて!
思わずそう叫びそうになった。すると、


「小夜子が惚れてる男ってアイツか」


「……え?…ア、アイツって…」


「大倭会若頭、草薙尊。だろ」


突然、尊兄ちゃんの名前をハッキリと言われてビクッと身体が震えてしまって、


それを見た朔夜は無言で笑う。


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