兄ちゃん今ごろ何してはるやろ? 今度はいつ会えるんやろ? 半年後?一年後? そう思ったら急に、忘れてた寂しさが頭をもたげてくる。 けど、私のそんな気持ちを知るはずない彼女の話は続く。 「……けどさぁ、あまり学校来ないから会えなくてつまんないのー。今月一日も来てないし、きっと今日も来な…」 ため息交じりに市川さんが頬杖をついたとき、ガラッと後ろの戸が引かれた。 そして学ランを着崩した長身の男子が、気だるそうな顔で教室に入ってきたのだ。 .