それにしても、みんな髪が茶色やったり、金色やったりハデやなぁ。女の子はバッチリ化粧してるし、大人っぽいわぁ。


教室中に、香水ていうかコロンていうか、甘ったるい匂いが充満している。


それにスマホいじったり、音楽聴いてたり、机で突っ伏して寝てたり、漫画読んだり……自由なクラスやな。先生も怒らへんし。


そんなことを思いながら席についた。窓際だから校庭が見渡せる。


「いらっしゃ~い。西園寺小夜子なんてすごい名前ね!もしかしてお嬢さま?」


「…えっ?そ、そうやろか…?」


椅子を引くと同時に、まえの席の女子がくるっと振り向いた。ふわっとした髪の可愛い子。


目がパッチリやなぁ…。これがいわゆるツケマってやつか?


「西園寺さんのまえの学校ってさ、名門の私立じゃん?やっぱお嬢!?てかこの時期、転校って珍しくない?親の転勤?」


「…うっ、うん…まぁ、そんなとこ」


「あ、私ね、市川りか。よろしく。西園寺さんはまえの学校でなんて呼ばれてたの?」

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