「まぁふつうがどうかは知らねーけど、俺ってふつうじゃねーから」


「……っ!?」


「小夜子もさ、あの草薙盈の娘なら分かるよな?まがいなりにも御劔組締めてる男が、本当はこんなガキだっ…て知られたらどーなるか」


「……!!」


「この世界はメンツがすべてだろ。だから来るべき時が来るまで、俺は正体を隠してるワケ」


確かに尊お兄ちゃんも、『ヤクザは舐めれたらしまいや』ってよく言ってたわ。


飛ぶ鳥を落とす勢いの御劔組トップが、こんなに若い……どう見ても10代……なんて知れたら、余所の組に攻められて抗争になるかもしれへん。


「表向きは奴が西園寺朔夜になってるけど、組の事業動かしてるのは俺。それに俺のタマ狙ってる奴もウヨウヨいるし、丁度いいワケ。ツラ割れしてねーから好き勝手やれるしよ」


「…そんなん急に言われても……し、信じられへんっ…」


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