10年前、寂れた遊園地で俺に銃口を向けた時、


俺と自分の間で板挟みになってた小夜子を楽にする為、あんなことしたのか?


自分が憎まれる役になれば、小夜子は楽になると思ったのか。


お前……俺に小夜子と自由をくれたのか……?


ずっと悩んでた。



でも小夜子は妹じゃねー!



俺にはわかんねぇよ……
お前が真実を言ったのか、
嘘を吐いてたのか……




「あれー?お父さん泣いてるの?何でー?」


真ん中を歩いてた朋夜が、不思議そうに俺を見上げた。


「泣いてねーし」


「泣いてるよぉー?変なのぉ!あーあ!さっきの子、カッコ良かったなぁ!また会えるー?」


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