宴が終わると、化粧を落とし着替えをすませ、ひとり広いお風呂に入った。


刻一刻と、新婚夫婦がむかえる夜のあのイベントへと時間は進んでいく。


お湯を張った浴槽につかっていたら、自分の運命に、フツフツと怒りを感じ始めた。


だいたいやで!?
新婚初夜て言うたら、ふつう世の中の女の子が、一番幸せを噛みしめる時やん!?


なんでうちだけあんな熊みたいな男と…!?


あーっ!嫌や!嫌や!


………逃げたろか?


それとも寝床にある花瓶かなんかで殴って気絶させる!?


いっそ、うち男やねんて嘘ついてみたらどうやろ!?


向こうから破談や言うかも!?


………あーっ!アカン、そしたらお兄ちゃんに迷惑かてまう!


なんかええ方法ないの!?


なんとか初夜をしないですむ方法を考えてると、だんだんのぼせて目が回ってきた。


しゃあない、ひとまずは上がるか……。



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