「親父の墓参りに来たのか?」


好奇心なのか、惹き付けられたのか。思わず近づいて声をかけていた。


近くで見るとますます似てる。まるで草薙尊を小さくしたみたいだ。


と言っても俺が知ってる草薙尊は、10年前の草薙尊だけど。


「おじさんたち誰や?見たことない顔やけど、アイツの友だちなん?」


「あー、ダメだよ、自分のお父さんをアイツとか言ったら!」


俺の腕にかくれながら、唇を尖らす朋夜をなだめて訊いた。


「自分のオヤジ嫌いか?まぁ俺も嫌いだったけど」


「嫌いに決まってるやろ!あんな冷たいヤツ!みんな言うわ"お前の父ちゃんは悪党や"って!……でも」


「でも?」


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