はじめに気づいたのは朋夜だ。


「ねえおとーさん!あそこに男の子がいるよ!」


小夜子がいつまでもアニキの墓前から離れようとしないから、退屈していた朋夜が言った。


小さな指のさす方向をたどると、確かに木陰から男の子がこちらをうかがっていた。歳は朋夜と同じくらいか。


けどそれより、俺はその男の子を見て、不思議なデジャヴを感じた。間違いなく初めてみる子どもなのに、間違いなく知ってる気がする……。


「あの子、どーしたのかな……?すごく寂しそう……お父さんやお母さんと、はぐれちゃったのかなぁ…?」


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