俺はその日を境に、西園寺朔夜の名前を捨てた。




御劔組は実質大倭会に吸収されて、そこに君臨したのはあの男だった。




つまり俺は小夜子を手に入れ、あの男は御劔組を手に入れた。



小夜子と自由


その引き換えに、全てをなくした。



俺にとって小夜子は、御劔組の組長じゃなく、ただの人間として接してくれた
たった一人の女だ。


小夜子といるときだけ、俺は俺になれた。



だから今、後悔してるかと訊かれたら、そんなコトねーと、心底言える。



.