ドォォォォォォォンンッ!!!!


その音で鳥たちが狂ったように鳴きながら一斉に飛び立った。


まるで私の心臓まで撃ち抜かれた気分やった。


この一瞬で、世界のすべてが滅んだ……。



カランッ…っと空のヤッキョウがひび割れたアスファルトに転げ落ちる。




でも朔夜は立っていた。
左の頬には銃弾がかすった跡がある。


「に、に兄ちゃ…!?」


2、3mの距離や。外すなんてあり得へん。わざとはずした!?


「たった今、御劔組の組長、西園寺朔夜は死んだ。

これからはもうひとつの戸籍で好きに生きたらええ」


兄ちゃんは拳銃を下ろした。


けど生気を宿さない、冷たい瞳のままやった。



「そんかわり御劔組のシマは今日からうちのモンや。それでええな?」





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