朔夜の顔に暗い影がおちた。


「妹は産まれた時から俺より小さくて、しかも障害を持ってた」


「…しょ…障害…!?」


「臍の緒が首に巻きついてたことが悪かったらしいけど、詳しい原因は知らねー。とにかく医者に、歩けないどころか一生寝たきりだって言われたんだとよ」


うそ……。そういえば未熟児で、えらい身体が弱く産まれた言うてたな……!?


「その話を聞いたて、やっと母親と妹が家を出たワケが分かったぜ。つまり家を出たんじゃなく、あの男が五体不満足で育つかも怪しい妹と母親を追い出した…ってところだろーよ」


そんな……実の父親なのに!?酷い!!


「だから『妹は死んだ』って最初に聞いたとき、ああやっぱりって。たぶんそうだろーと思ってたからな。

けど分かるか?
これで、この丈夫だけが取り柄の小夜子が、妹であるはずねーってコトが!」


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