「デタラメ並べとるはお前や。さもなくば妄想に憑つかれとる」


兄ちゃんの目が冷たくなった。爬虫類のように、感情も体温も感じない、ゾッとさせる目。


「なあ、ちょっと、ちょっと!?…なぁ…!?」


2人に聞きたいこと沢山あるのに、もう私に口をはさむ隙はない。
朔夜も怖いくらい真剣やった。初めて見る、極道の顔の朔夜。


「なァ組長さん俺が嘘吐いてる証拠あるんか?」


「小夜子は妹じゃねー」


「お前がそう思いたいだけやろ?ほんで証拠は?」


「絶対に違う」


ずっとメンチ切ったままお互い引かない。


私は朔夜の妹やない……?
もしそうやったら……!?


でも兄ちゃんが嘘つくはずない。
兄ちゃんが……うちを利用するなて……そんなはずない……。


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