「俺が小夜子を騙してる?どーいう意味や?」


「ちょ…ちょっと2人とも!!いきなりケンカせんでよ!?」


すでに一発触発な空気。


この2人が顔を合わせたら、こうなる予感がしてて、それを止めたくて朔夜についてきたんや。


でも朔夜も兄ちゃんもお互いしか見てない。私なんか視界に入ってない。


「危険に巻き込んだもクソも、それを全部知ってて小夜子を俺んとこよこしたクセに」


「お前、一体何を言うてんねん?」


「テメーには掻き回されたよ。鬼塚のバカまで踊らしてくれたし」


なのにどんどん雰囲気は険悪になっていく。2人がぶつかるのは止められないのかもしれない。


そんな気持ちは朔夜の次の言葉でさらに強くなった。


「小夜子が自分に惚れてることも知ってて"駒"にしたんだろ?」


「………駒?」


「うちの組潰して傘下に治めるために、お前利用されたんだぜ。

目ェ覚ませよ小夜子」


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