「分かった」


それだけ言うと朔夜は通話を切って、スマホをジーンズのポケットにねじ込んだ。


「なんかあった?」


「や。別に」


そっけなくそう返事して、今度はタバコを取り出し、火を着ける。


この秘密主義者め!朔夜ってホンマなんも大事なこと話してくれんもなぁ……。


「さっきお兄ちゃんの幻想がどうのこうの言うてやん?どういう意味?」


「……もうすぐ分かる。あー、なんかいいなァ。ここ。墓場みてー」


「はぁ??話反らさんで!………ちゅうかなんちゅう例えやねん!」


族の仕業か知らんけど、スプレーの落書だらけで、あちらこちら荒らされてるかつての遊園地。


もはや廃墟と化したここは、たしかに墓場のような寂しさを醸してる。


「なぁ、やっぱり行こうよ?うちここにいたくないわ」


何やろ……まるで嵐の前の静けさのように胸がドキドキしてきた……。


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