「いくらあなたが西園寺家を出ても、生きてる限り、いつどこで秘密が漏れるか分からない。

そして尊様がどんな手を打って来るか分からない。それを恐れたのでしょう」



鬼塚さんが…あの鬼塚さんが、いとも簡単に私を殺そうとした?


そんなん信じたくない……。


目の前がグルグル回りだした。もし事実なら倒れそうなほどショックな話やった。


すると鬼塚さんの声が怒りで震える。


「それが戯れ言だと言ってるんだ。作り話も大概にしろ。どこにそんな証拠がある?小娘!」


乃愛さんは再び私を振りかえった。


「証拠ならあります。……これをご覧下さい」


そうして彼女は自分の懐に手を忍ばせた。



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