「……な……なんやて……!?」


乃愛さんは呆気にとられる私の前に立った。まるで庇うように。


一方の鬼塚さんは取り乱すこともなく、普段どおり落ち着いた顔をしてる。


「苦しまぎれの世迷い言か。寝言は寝てから言え。小夜子様、その女を信じてはなりません」


「……え!?」


「気づかないのですか?そうやって油断させ、あなたの命を狙ってる。はやく私のそばへ」


「………!?」


「あなたは人が良すぎます。その女こそ黒幕なのです。はやく離れてください!」


真剣な声で鬼塚さんに叫ばれ、頭がますます混乱した。


いまの乃愛さんの話、全部作り話やって言うの?


……でも!?


「でも乃愛さんはうちが朔夜の妹やって知ってたんやで!?尊兄ちゃんに聞いたんやないんなら誰に…」




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