「小夜子様に存在されては困る方がいるのです。その人物が今夜の事を仕組んだのです」


「え?」


「あなたが本当は何者なのか、尊様より聞きました。御劔会の、正統な後継者だそうですね。そして、それこそお命を狙われている理由」



その言葉で鬼塚さんの話を思い出した。


私の正体が知れたら、組長としての朔夜の立場が危うくなるかもしれへんて。


つまり、私(実妹)が存在して一番困るんは朔夜や。


「あんた、今夜の黒幕は…」


『朔夜やって言いたいん!?』そう続けようとした時、勢いよく部屋のドアが開いて光が射し込んできた。


「…うっ!?」


目が眩んで誰か分からない。
心臓が口から飛び出そうなほどビクッとした。


「小夜子様!?ご無事ですか!?」


.